読売新聞東京本社にある「よみうり大手町ホール」にて、「新聞力」についての特別講座が開催され、参加してきました。講師は同名書籍「新聞力」(筑摩書房)
の著者で、テレビのニュースや教養バラエティ番組でも人気の明治大学教授 齋藤孝氏。
書籍『新聞力』~できる人はこう読んでいる
小さい頃から新聞に親しんで育ってきたという齋藤教授は、新聞離れが進む現状について「危機感を持っている」と懸念を示し、その理由として、新聞の宅配制度が日本文化を支えてきたことを指摘したうえで、「新聞の購読率が下がれば日本語力も社会力も下がる」ことを挙げました。また、「民主主義の根幹はメディア、とくに新聞にあると思っている」とも語りました。
選挙権が18歳に引き下げられたことで、教育現場には生徒に社会的判断力を身に付けさせることへの不安があることも紹介。「社会的判断力を身に付けるには、新聞が最適である」と断言するとともに、「実用的な日本語を鍛えるためにも一番良いテキストが新聞。教員側は新聞こそ最高の教材と思っている」と述べ、家庭や教育現場での新聞の積極的な活用を求めました。
具体的な新聞の活用方法については、最近増えている中学受験を例に、「中学受験で一番とされるのが国語力、とくに要約力」とし、「親と一緒に新聞を読み対話することで論理的な会話力が身に付き、国語も社会もできるようになる」とのことでした。
ご自身の大学での授業でもずっと新聞活用をしており、「新聞の切り抜きに感想を書いてもらう授業をすると、情報が頭に定着し学生の評判もいい」とのことで、「それまで新聞をほとんど読んでこなかった学生が、わずが2週間の新聞活用授業の継続で、しっかり読むようになり全く意識が変わってくる、そして当然就活に対しても効果大」と、新聞を軸にした教育効果について説明しました。
そのうえで、「子どものうちに空気のように新聞を読む習慣をつけてあげることが、子どものためでもあり、日本の将来のためでもある」と訴えました。
新聞を使った実用日本語トレーニングは、親子で一緒に新聞記事を読んで、気になった記事の内容について語り合うといったことだけでもとても効果がありますが、もっと最大限に利用したすぐにできる具体的なトレーニングメニューを教えてくれました。
トレーニングメニューは大きく分けて
「スクラップ」と「30秒てきぱきプレゼン」の2本立て。
まずは、新聞の中から好きな記事を選び、
その記事を切って、貼る「スクラップ」を習慣づけます。
「30秒てきぱきプレゼン」はスクラップした記事の内容と
それに対する自分のコメントを30秒で言ってみる
というメニューです。
といってもいきなりはできません。
記事を読んで要約したり、
自分の意見をまとめるなどの準備が必要です。
その準備をするための以下のような
「ワークシート」についても教えていただきました。
・まず(見出しをもとに)
メインメッセージを書き出す
それに対する、なぜ?どういうこと?
という「補足情報」を加える
それによっての「影響や意義など」
(どういう意味か?)を加える
・下方に「コメント欄」
①なぜこの記事を選んだのか?
②どう思ったか?
③意見・提案・アイデア
いかがでしょうか。ぜひ参考にして
「親子・家族・友人同士で30秒プレゼン」の
ディスカッションに、ゲーム感覚で気軽に
チャレンジしてもらいたいと思います。
齋藤教授は多数の著書も書かれていますが、今年2017年1月に『楽しみながら1分で脳を鍛える速音読』という書籍(1,300円+税)を致知出版社から出されています。『認知症予防』に音読もとても効果がありますが、速く読むことでさらに大きな効果があるそうです。
以下、書籍紹介より
『速音読』とは?
「音読は速く行うと脳がより活性化し、
回転速度が上がる――」
本書は、
齋藤孝先生の長年にわたる音読実践と、
最新の脳科学理論から生まれた
脳のトレーニングテキストです。
やり方はとてもカンタン!!
【1】名作文学のクライマックスや冒頭を
「見開き1分」で読む。
【2】読了タイムを記録する。
ルールは至ってシンプルですが、
速く、正確に、流れよく読むために、
頭が必死に内容を掴もうとし、
脳がフル回転するのだそうです。
おすすめなのは、
皆でタイムを計ってワイワイやる速音読。
職場で、学校で、家庭で、ぜひ皆さんで
楽しみながら脳を鍛えてください。
さぁ、あなたは一分で読めますか?
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どんな内容か、
冒頭の「坊ちゃん」① の見本が
致知出版社のサイトにあります。
こちらですので、ぜひご覧ください。↓↓
http://www.chichi.co.jp/special/sokuondoku/
◎この素晴らしい書籍を購入し、
活用したなかで思いついたことがあります。
我が読売新聞の名物コラム、
『編集手帳』も書き写しのみならず、
量的にも1分間速音読に活用できるのでは!と。
過去の比較的明るい話題の音読に適した分を
齋藤教授の書籍のようにテキスト化して
活用してもらえたらと考えております。
現在準備中ですので、お楽しみにお待ちください。